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蛍光分光測定装置
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概要
蛍光寿命マッピングシステム
SPEX FluoroMap
x-y面でのサンプル表面上の蛍光のスキャニング
顕微鏡下でx-yでのサンプル表面の蛍光をスキャニング、蛍光マッピングが、近年、特に生物研究の分野で注目を集めています。この技術は、In vitroやIn vivoを問わず、細胞内に存在する物質やそこで起こる生物反応の研究に直接役立ちます。
蛍光マッピングの応用例としては、
定常状態走査、スペクトルイメージング
共焦点蛍光顕微鏡
研究対象中の各種フルオロフォアの寿命を識別しながら走査する方法
高速高分解能三次元顕微鏡
二光子走査顕微鏡
などが挙げられます。
蛍光マッピングを用いる研究分野としては、
脂質二重層膜
細胞分化
乳癌
単分子pHセンサー
繊維芽細胞中の光増感剤
組織固定化
光合成細菌の集光複合体
緑色植物
フィロセントタンパク質
などが挙げられます。ホリバ・ジョバンイボン社は、定常状態ならびに寿命の両モードで共焦点蛍光マッピングを行うことが可能な新しい蛍光寿命マイクロ・マッピング・システム、FluoroMapを開発いたしました。
原則的に測定方法はいたって簡単です。再現性良くx及びy方向に移動可能な顕微鏡のステージに試料をのせ、特定の励起波長の光を照射するだけです。一旦全蛍光イメージを記録した後、ユーザーが、試料中のどのスポットから全スペクトルを取るか、または寿命測定をするかを決定します。スポットのデータが入力されるとステージが自動的に目的領域に移動し、分光蛍光計によりこれらの領域の蛍光発光をスキャンします。本システムのダイアグラム概略図を図1に示します。
図1 ダイアグラム概略図
定常蛍光マッピング
定常蛍光マッピングを行う際には、本システムはポッケルセル・モジュレーターを光路よりはずします。連続キセノンランプから出る、強度が高く紫外から近赤外までの広いスペクトル領域の光を、ダブル(グレーティング)モノクロメータ(内蔵レーザー・ポートも付属)に向けます。モノクロメータから出た単色光は、分光蛍光計と顕微鏡のインターフェースから、オリンパスBX51共焦点顕微鏡の多ピンホール・ターレットに誘導されます。
ユーザーはピンホールのサイズを選択します。この励起マルチ光を、自動制御のx-y-z顕微鏡ステージ上にある試料に照射されます。試料から発する蛍光は、顕微鏡に向かって返されます。この試料の発する蛍光を直接観測するには、双眼接眼レンズ及びデジタルカメラが利用できます。ユーザーはデジタルカメラで試料のイメージを捕らえ、分光蛍光計が蛍光スペクトルを測定すべきデジタル画像内の小領域を指定します。ホスト・コンピューターが自動制御ステージを動かし、試料の目的領域まで移動させます。
この結果生じる蛍光は、顕微鏡からインターフェースを経由して分光蛍光計に戻り、dichroicミラー(特定波長の光を透過させるがそれ以外の光を遮蔽する光学素子)で反射されてTRIAX320分光器に入り、CCDアレイまたは光電子増倍管(PMT)で検出されます。画像内の各領域の走査蛍光スペクトルを分析するには、蛍光分析ソフトウェアを用いることができます。
蛍光寿命マッピング
蛍光寿命マッピングを行うには、Modulatorのつまみを回してポッケルス・セル・モジュレーターを光路に入れます。キセノン光源からの光は、モノクロメータでフィルターにかけられた後、モジュレーター・ボックスに向かいます。モジュレーター・ボックスで変調された単色励起光は、インターフェース、さらにピンホール・ターレットを経て顕微鏡に送られ、試料に至ります。
定常蛍光スキャンと同様に、ユーザーは試料の発する蛍光画像をデジタルカメラで捕らえ、どの領域の蛍光寿命を測定するかを選択します。ホスト・コンピューターがステージを目的領域まで移動させ、試料の発する復調(demodulate)された蛍光反応を捕らえます。復調された蛍光はインターフェースを経て分光蛍光計に戻り、二色性ミラーで反射されてダブルグレーティング分光器に入り、CCDアレイまたは光電子増倍管(PMT)で検出されます。寿命はカイ二乗法アルゴリズムを用いて計算します。
FluoroMapで使用するソフトウェアの例を図2に示します。図2には、ステージの位置決め、対物倍率、ピンホール径、顕微鏡の各種パラメータの設定や保存・再使用のためのファイル名設定が示されます。
図2 ソフトウェア
結果
FluoroMapの性能を示すために、粉末状染料の混合物中の蛍光粒子を特定する試験を行いました。フルオロセイン(オレンジ色粉末;マセソン社)、ローダミン-6G(濃赤色粉末;イーストマン社)、及びナイルブルーA(緑青色粉末;アルドリッチ社)の結晶をほぼ同量に混合し、スライドガラスに貼り付けた両面テープ上に塗布しました。対物レンズ203を用い、共焦点ピンホールが0.4mmの条件下でFluoroMapを用いて測定したこの混合物の写真を、図3に示します。なお、この領域のpornuns部は、FluoroMapのマイクロ・マッピング機能を用いて検討しました。
図3 染料粉末混合物の顕微鏡像
定常状態マイクロ・マッピング法にて実際に測定した領域を、図4のスクリーン図に示します。A 450-Wキセノンランプを、励起光源として用いました。ダブルグレーティング励起光モノクロメータの設定は、420nm(入射スリット=7mm、中間スリット=3mm、出口スリット=1mm)としました。発光スペクトログラフ(TRIAX 320)は、入射及び励起スリットをそれぞれ1.5mmとして、470〜750nmの領域を2nmステップで測定しました。検出器にはR928P光電増倍管を用い、950Vで使用しました。各ステップの積算時間は2秒でした。画像撮影領域は粉体物質の量により選択しましたが、1箇所は粉体をまったく含まない所を選びました。色つきの四角で示した部分が、発光スペクトルを測定した場所です。赤は蛍光強度が最大に近いこと、青は蛍光強度が弱いことを示しています。また、バックグラウンド・スキャンは、顕微鏡のシャッターを閉として測定しました。
ここに示す全スキャンは、このバックグラウンドを除いたものです。
図4 蛍光測定した領域を示す画面
赤色は蛍光強度が高い部位、青色は低い部位
図5に、いくつかの測定領域を示します。
主としてローダミン-6Gからなる領域
ナイルブルーAの領域
フルオロセインが優位predomindntlrを占める領域
基材テープの領域
図5
図4中の赤い四角は、画像の全測定領域中で最も高い蛍光強度が見られます。図4の画像と比較すると、この部分がフルオロセイン結晶にローダミン-6Gの結晶からなっていることがわかります。この部分は混合物であるため、ここに示す分解能では画像撮影ができず、この画像を示すことができません。
図5中に、4種の異なるスペクトルが見てとれます。格段に強いスペクトルはフルオロセインのもの(赤線)で、600及び620nm付近にダブレットが、また510nmに基材テープ由来の弱いシグナルを持っています。次いで強度が強いのはローダミン6Gのスペクトル(黒線)で、632nm付近に一つのピーク、656nm付近にブロードな発光を持っています。粉体の基材そのも-両面テープ(青線)-も、510nm付近にはテープ由来の非常に弱いシグナルが観察されます。ナイルブルーAの走査(緑線)では、510nmのテープ由来の非常に弱いシグナル以外には、特に蛍光が認められませんでした。強度の変動の理由としてはいろいろなものがありますが、各材料の量子効率の差や励起波長の不適性が理由として挙げられます。
蛍光性染料の微細結晶と写真増感剤であるヨウ化1,1-ジエチル-2,2-シアニンまたはPIC(アルドリッチ社)を用いて、もう一つ定常状態試験を行いました。これは、細胞内三次元位置の研究を模したものです。この試験では、単結晶内の4つの異なる点を高倍率で測定しました(図6)。
図6 PIC微小結晶の顕微鏡像
用いた励起モノクロメータは420nm(入射スリット=7mm、中間スリット=1mm、出口スリット=3mm)で、発光は550〜700nm(入口及び出口スリット=2mm)の領域を2nmステップで走査し、積算時間はそれぞれ1秒でした。ピンホール径は0.1mmで、対物レンズは1003を用いました。
図7はバックグラウンド補正した結果で、同一のPIC結晶内でも位置が異なれば、異なる蛍光スペクトルを出すことを示しています(16)。3と4のスペクトルは定性的にはよく似ていますが、1のスペクトルと2のスペクトルは異なっています。
図7 PIC結晶上の蛍光スペクトル
ホリバ・ジョバンイボン社のFluoroMapは、研究用のSpex FluorologTau3寿命分光蛍光計をベースに開発されたもので、これを用いて、簡単かつ容易に蛍光マッピング法による微細領域の識別ができます。また、生物の顕微試料を用いて、定常状態データ及び寿命データのいずれをも得ることができます。
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