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モノクロメーターのスループットにかかわる性能のうち、わかりやすいのは開口角である。レンズなどの開口角と考え方は同じであるが、グレーティングが回転をするため、幾分説明が必要となる。
はじめに、開口角の定義であるが、グレーティング(特に平面グレーティング)には、矩形のものが多い。円形のグレーティングの場合は、レンズ同様、グレーティングの直径dとモノクロメーターの焦点距離fとの比f/dでFナンバーが表示されるが、矩形の場合にははっきりとした定義がない。しかし、数年前から、矩形の面積と等価な円形におきかえて、その直径と焦点距離の比で表示するメーカーが多くなった。すなわち、矩形グレーティンダの寸法をh , wとすれば
となる。しかし、モノクロメーターの場合、矩形にしろ、円形にしろ、グレーティングが回転するため、入射スリットから見た実際の開口角は、波長に依存することになる。
またモノクロメーターによっては、グレーティングが出射スリット側へ回転するものもあり、入射側から見た実質開口角はさらに小さくなる。その他、迷光防止のため、開口角を制限する遮光板をモノクロメーター内部に置いたり、分解能向土のため、グレーティングにマスタをかける場合もあり、このようなときのFナンバー表示を、有効開口角で表示するか否かは、メーカーによって異なるので注意する必要がある。
次にグレーティングの回折効率(Efficiency)であるが前記のように、グレーティングは、0次、マイナス次数も含め、他の次数へも回折する。そのため、すべての回折光に対する着目次数の光の比率が問題となり、この比率を回折効率と呼ぶ。回折効率は、主にグレーティングの溝形状により決まる。同じ刻線数を持つグレーティングでも、その溝形状を変えることで、波長に対する回折効率曲線を変化させることができる。特に溝形状を鋸のようにして回折効率を特定の波長に集めることをブレーズ化といい、その波長をブレーズ波長と呼ぶ(図8参照)。
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図8
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ブレーズ化による回析効率の差の例
(1200gr / mm, ピーク波長:2500Å)
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このような回折効率曲線の異なるグレーティングは同一刻線数でも複数敗売され、たとえばJobinYvon社の1200gr/mm平面グレーティングの場合、標準品で11種類から選ぶことができる。
グレーティングの回折効率において注意すべき点を上げると、一つは偏光面によって、回折効率曲線が異なることである(図9参照)。
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図9
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偏光によるグレーティングの回析効率の例
(1800gr / mm)
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偏光測定はもとより、レーザーのような偏光を伴った光を扱う場合や、ビームスプリッターなど装置構成の中に偏光依存を起こさせる光学素子と共にモノクロメーターを使用する場合には、考慮する必要がある。
次に回折効率の測定条件であるが、平面グレーティングの場合、メーカーの測定条件は一般にリトロー(Littrow)マウントと呼ばれる光学配置であるため、図1のCzerney-Turnerマウントの場合、回折効率曲線は、幾分短波長へシフトする。
また回折効率の表示には、その定義から分かるように、グレーティング自身の吸収を含まないので、コーティングの反射率が低くなる紫外側では注意する必要がある。
回折効率の問題で見逃せないのは、Wood's Anomalyである。特定の波長で、回折効率が上がったり落ちたりする現象で、これは他の次数の回折角が±90°となるような波長のときに起こる。Wood's Anomalyは、グレーティングを使用する以上、大小の差こそあれどこかの波長に起こる。これを除くのは難しいが、測定波長にWood's Anomalyが超きた場合、その最も有効な手法は、グレーティングの刻線数を変えWood's Anomalyを他の波長へ移すことであろう。また溝形状の異なったグレーティングを使用するとその程度が変わる。その他、偏光子を入れ、グレーティングの溝に平行な偏光だけを測定すると、かなり軽減する。
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図10
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Wood's anomalies (WA)
(Jobin Yvon社、Grating Handbookより)
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以上のような、開口角、回折効率以外に実際に使用する場合には、モノクロメーターのスリットの長さ、必要分解能から導かれるスリット幅等も重要になる。特にスリットの長さに関しては、装置全体の光学系を考慮する必要がある。詳しい説明は紙面の都合で省略するが、スリットの長さにより、分解能や迷光に影響がでる場合もある。また、モノクロメーター自身ではないが、その前後の集光光学系も大きなファクターに成り得るので、注意する必要がある。
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