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OLED(有機発光ダイオード)の
薄膜構造の解析
有機EL アプリケーション
OLED(有機発光ダイオード)の薄膜構造の解析
現在、次世代ディスプレー技術への利用をめざして、有機発光ダイオード(OLED)の研究が精力的に進められています。この技術は、広い視野角、高い発光効率を特長とし、低消費電力、低作動電圧で高輝度を実現できます。OLEDデバイスは非常に軽いため、携帯電話やラップトップコンピュータ、デジタルビデオカメラ、DVDプレーヤー、カーステレオ、テレビ、カラーディスプレーを必要とするその他多くの製品に使用できます。
OLEDは、発光ダイオード(LED)中で有機ポリマーを半導体材料として用いるディスプレー技術で、OLEDデバイスの有機材料には「低」分子または「高」分子の有機ポリマーが用いられています。「低」分子有機材料製OLEDディスプレーの場合、真空槽内での昇華が最も簡便な蒸着方法で、一方、「高」分子有機材料の場合、溶媒塗布法がよく用いられています。
OLEDの仕組み
OLEDの基本的なセルは、透明電極(陽極)と金属電極(負極)に薄い有機層がはさまれた構造をしています。陽極は、有機層表面にホールを注入(この層は「ホール注入層」と呼ばれます)し、一方、負極はその近傍の有機層に電子を注入します。OLEDの基本セルは、ホール注入層以外に、「ホール輸送層」、「発光層」、「電子輸送層」が形成されています。セルに適当な電圧(通常、数ボルト)が印可されると、注入された正と負の電荷が発光層内で再結合して発光します(エレクトロルミネセンス)。この有機層の構造と陽極・負極の選択により、発光層における再結合過程を円滑に行い、OLEDデバイスからの発光量を最大化することができます。なお、デバイス全体の厚みは、せいぜい2000オングストロームです。
OLEDの代表的な構造
OLEDの作動原理
OLEDの薄膜構造の解析
分光解析法(分光エリプソ)によって、高精度なOLEDの非破壊構造解析を行うことができます。このアプリケーションノートでは、Jobin Yvon社の
UVISEL位相変調分光偏光解析装置
を用いた構造解析を取り上げます。
偏光解析データは入射角56°で測定したもので、このスペクトルから、IsとIcの二つの変数が求まります。IsとIcはいずれも偏光解析角ΨおよびΔの関数であり、次の偏光解析基本式で定義されています。
R
p
/R
s
=tanΨe
iΔ
Is=sin(2Ψ)sin(Δ)
および
Ic=sin(2Ψ)cos(Δ)
位相変調偏光解析法では、角度ΨとΔを正確に求めることが可能で、またそれぞれ0〜45°と0〜360°の範囲内で、死角を生ずることもありません。
測定データを分析して求めた各有機層の屈折率と厚みを、ITO層の光学特性とともに示します。
各有機物質の光学特性を、複数の振動子(オシレーター)からなる分散式を用いて計算し、310〜1240nm領域での物質の特性を評価します。
蒸着や後処理によりITO層が不均一となっているため、ITO層も評価する必要があります。ITOの光学特性はITO層内の変動をあらわすため、モデルではこれを考慮しておく必要があります。
OLED構造とモデリング結果
OLED構造の光学特性
最後に
位相変調分光偏光解析法は、OLEDの全スタック構造をきわめて正確に評価できる優れた技術です。この技術を用いると、薄膜の厚みや光学特性、活性層への添加物(ドーパント)の影響を測定することができます。例えば生産現場での大画面フラットパネルの分析などの高速処理が求められる用途には、全自動の試料台を備え、最大1000mm×1000mmの試料の測定が可能な堀場製作所製FF-1000偏光解析装置が最適です。この正確な自動薄膜測定装置は独自の機能を有し、製造工程のオンライン品質管理における信頼性もすでに証明されています。
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